積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーは、機能テープ事業の主力製品であるクラフト紙を基材としたクラフトテープの長尺品(1000m巻)を今月から本格的に販売開始すると発表した。
クラフトテープは、主に段ボール組み立てなどの用途として、食品・物流業界を中心に使用され、業界の標準品としては最長は500m巻だったが、今回業界で初めて1000m巻を標準品として販売する。海洋プラスチック問題を背景に高まるプラスチック使用量低減などの環境配慮ニーズや、通販市場が拡大する食品・物流業界での製造現場の自動化・効率化ニーズに対応していく考えだ。
クラフト紙を基材とするクラフトテープは、バイオベース率が56%を占め、プラスチックを基材としたOPP(延伸ポリプロピレン)テープと比較して使用プラスチック量の大幅な削減につながる。併せて、石油資源の使用を抑えた材料や生産方法の採用により環境にやさしいテープを実現。同社の汎用OPPテープとの比較では、製品ライフサイクルでの炭酸ガスの発生量を約86%削減する。
また、長尺のため自動テープ貼り機(製函機・封緘機)へのテープ補充の手間を軽減できることから、現場作業員の業務効率化や現場拘束時間の削減に貢献し、ソーシャルディスタンスを取ることができる環境づくりへの寄与も期待される。テープ幅は38mm(重量約4.3kg)と50mm(同約5.7kg)の2種類をラインアップした。