三菱ケミカルホールディングスはこのほど、人手不足・環境対応(省資源や廃棄物対応、温暖化ガス削減)といった建築業界の課題解決に貢献するため、近年急速に普及しつつあるBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用し、素材メーカーの着眼点で新たなソフトウェアを開発したと発表した。
今月より、同社グループで住宅設備、建築資材を取り扱う三菱ケミカルインフラテック(東京都中央区)のサービスの一環として、同ソフトウェアを活用したビル外装にかかわる2つの提案を開始した。
内容は、①2Dまたは3D図面データを活用した各種シミュレーションモデルと高機能レンダリングとを組み合わせ、クラウド環境下で迅速に施主や設計者などに提供する②個々の工程で必要とされる2Dまたは3D図面データを自動的に生成し、施工会社や加工各社に提供する、となっている。
国内外を問わず多くの専門事業者が存在する建築市場に対し、同社グループが販売する「アルポリック」をはじめとしたビル外装材に関するサービスを開始することで、将来的には他商材や他領域に同様の取り組みを展開することを視野に入れている。
チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)の市川奈緒子執行役員は、「当社グループは、建材というモノとソフトウェアサービスを融合する新たな事業展開をスタートする。川上の素材を多くもつ当社グループの技術力、データやノウハウを建築や製造のバリューチェーンに生かすものだ。当社グループは、今後も設計からリサイクルまで含めた製品ライフサイクル全体のサステナビリティに貢献する、新規ビジネスモデル開発を続け、社会に価値を提供していく」とコメントしている。