合成ゴム 10月の出荷量は13カ月ぶりにプラス

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2021年1月13日

SBRなど各品目が改善、対面業界の需要が回復

 合成ゴム工業会がこのほど発表した生産・出荷・在庫実績によると、10月の合成ゴムの出荷量は前年同月比3.2%増の11万8200tだった。13カ月ぶりにプラスに転じている。前月比で見ても5カ月連続でプラス、2カ月連続で11万t台となっている。

 10月を品目別に見ると、SBRは前年同月比5.7%減の3万9500t、NBRは同2.2%増の9500t、CRは同48.4%増の1万t、BRは同1.5%増の2万6700t、EPTは同11.2%増の1万8000t、その他は同2.6%増の1万4500tとなった。SBRはマイナス幅が縮小。それ以外では、NBRは4カ月連続プラス、CRは7カ月ぶりにプラス、BRは11カ月ぶりにプラス、EPTは2カ月連続でプラス、その他も11カ月ぶりにプラスと、すべてプラスでの推移となった。前月比ではSBRとCRがマイナスとなったが、そのほかの品目ではプラスとなっており、合成ゴムの需要回復が強まってきたようだ。

 合成ゴムの需要業界のうち、日本自動車タイヤ協会のまとめでは、10月の自動車タイヤ生産は前年同月比3.2%減の1万2700本、タイヤ生産に使われる合成ゴムの新ゴム消費量は同8.0%減の8万6000tといずれもマイナス幅の縮小傾向が継続。また、日本自動車工業会の10月車種別生産統計(4輪)は同7.7%増の83万8200台と、2019年9月以来、13カ月ぶりにプラスに転じた。さらに、日本建設機械工業会がまとめた10月の出荷金額は同2.8%減、日本工作機械工業会による10月の受注総額は同6.0%減とマイナスが大幅に改善している。こうした背景から、合成ゴム全体の出荷を押し上げる結果となった。

 10月の生産については、合成ゴム全体で前年同月比20・9%減の8万4400tと12カ月連続でマイナス。EPTのみプラスに転じたが、そのほかの品目は前年実績を下回っている。稼働率は48.5%と前月より5.9ポイント悪化したが、在庫は前月からさらに減少し30万tを割り込んだ。

 一方、合成ゴム全体の輸出は同19.3%増の7万6300tとなり、7カ月ぶりに7万t台を回復、輸入は同4.7%増の1万2800tと、4カ月ぶりに1万t台となった。