帝人フロンティア ウェアラブルでデジタルゴルフレッスン

,

2021年1月26日

独自の高機能繊維とセンシング技術の融合で実現

 帝人フロンティアは25日、高機能繊維とセンシング技術の融合によりウエア、デバイス、アプリケーションを一体化させた、デジタルゴルフレッスンを実現するソリューション「MATOUS GOLF(マトウスゴルフ)」の販売を開始すると発表した。基本となるスイング時の姿勢(体幹)をセンシングウエアで計測し、データを自動解析することで、短期間での上達に向けたコーチングが可能となる、世界初のアプリケーション(同社調べ)。

『MATOUS GOLF』のスコア表示例
「MATOUS GOLF」のスコア表示例

 同社は「MATOUS」に、まとう(衣服を身につける)、Smart(賢い)、Sensing(測定)、Solution(解決)を融合させる意味を込め、IoT化の加速やデータ活用が進む今後の社会のニーズに対応する製品やサービスの開発を進めている。今回のモーションセンシングには、高いグリップ力をもつ超極細繊維「ナノフロント」を採用した独自のベスト型ウエアとリストバンドを着用する。来月1日から、同社が提携するティーチングプロへのレンタルサービスを開始し、今年中にアプリ配信サービスを一般のゴルフプレイヤーにも拡大していく予定だ。2025年度に売上30億円を目指す。

「MATOUS GOLF」のベスト、リストバンドとセンサー

 「マトウスゴルフ」は、プレイヤーの動きを測定するセンサーを一体化した専用のセンシングウエアと、新たに開発したアプリケーションで構成。スイング動作を「高精度に見える化」できることを最大の特長とし、センシングウエアで計測されたモーションデータは、独自のアルゴリズムにより、セットアップからバックスイング、ダウンスイング、インパクト、フォロースルーまでの5つの動作について、体幹軸(上半身)の角度、回転、ブレなどを瞬時に多面的に解析し、評価、アドバイスを行う。

 同日に開催のウェブ説明会では、「マトウスゴルフ」の開発と監修に携わった、日本プロゴルフ協会・ティーチングプロA級でジュニア指導員の亀井崇雄プロと、日本女子プロゴルフ協会・ティーチングプロA級の本田加奈プロによる同製品のデモンストレーションが披露された。

「MATOUS GOLF」のスイング表示例

 生徒役となった本田プロのスイングデータは、瞬時に3Dアバターで画像化され、お手本の姿勢・動作とのズレを指摘。同時に、セットアップからフォロースルーまでの5つの動作が得点で示された。3Dアバターの画像は、正面、背面、側面のみならず、頭上や足元から見た表示も可能で、ビデオ映像と違い、あらゆる角度からスイングを振り返られるのも大きな特長だ。

 亀井プロからは、「正確なデータが取れるため、アドバイスがしやすくなった」「まず体幹軸のズレを視覚的に意識してもらうことで、その後のレッスンの効果も高い」などの感想があった。場所や時間にとらわれずに自由にレッスンを行えるメリットもある。

 今後は、下半身や腕の動きのセンシングも検討していくほか、姿勢・体幹・角度が軸となる、野球、テニス、バレエなどゴルフ以外のスポーツにも、ウェアラブルソリューション「マトウス」ブランドを展開していく考えだ。