三菱ケミカル(MCC)はこのほど、植物工場事業の強化を目的に4月1日付でMCCと子会社の三菱ケミカルアグリドリーム(MCAD)がそれぞれ持つ植物工場事業を、同じく子会社の三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(MCAS)に移管し、植物工場に関する事業を集約すると発表した。
現在、MCCおよびMCADでは「苗テラス」「ナッパーランド」「AN(AGRICULTURE NEXT)」「Plant Plant」といった水耕栽培技術を用いた植物工場の設計、施工及び販売に関する事業を行っている。一方、MCASは長年にわたり水処理ビジネスを手掛け、そのエンジニアリング力や水処理技術を培ってきた。気候変動や農業人口の減少などで今後ますます植物工場へのニーズが高まる中、MCCグループが有する植物工場関連事業をMCASに集約化することで、MCASが持つ「水」に関する卓越した技術や設計、施工機能などとのシナジーにより、より高度で優れた植物工場関連製品およびサービスの提供を図っていく。また、今回の集約化により将来的には、バイオ技術などを融合させた植物工場の高度化や医療・健康食品・エネルギー分野への展開も目指していく。
三菱ケミカルホールディングスグループでは、中長期経営基本戦略において、「食糧・水供給」を解決すべき社会課題・注力すべき事業領域の1つに位置付ける。今回の植物工場関連事業の集約化は、この施策の一環であり、今後もMCCグループは保有する財産を結集させてこの課題の解決を目指していく考えだ。