出光興産は16日、タジマモーターコーポレーションと、超小型EVなどの次世代モビリティおよびサービスの開発を行う「出光タジマEV」を今年4月に設立すると発表した。出光興産のSSネットワークおよび素材開発技術と、タジマモーターの車両設計の技術を融合。移動に関する潜在的ニーズに応え、超小型EVを核とした全く新しいカテゴリーのモビリティを提供していく。
新会社はタジマモーターの関連会社であるタジマEVに出光興産が出資し、商号を「出光タジマEV」へ変更した上で新たにスタート。初の新型車両として、昨年9月に国土交通省が発表した超小型モビリティの新規格に準拠した新たなカテゴリーの超小型EVを開発、今年10月に発表し来年の上市を予定している。
また、出光タジマEVは、超小型EVの開発・販売だけではなく、車載ソーラー、次世代バッテリーの採用、自動運転開発、グリーンスローモビリティ開発、新たなサブスクリプションやカーシェアモデルの展開、MaaSに関するデジタルプラットフォームの構築、リサイクルシステムの開発を推進。シェアリングや定額で利用可能なサブスクリプションや、変化する利用者のニーズに合わせたMaaSを開発し、この超小型EVと合わせて、全国6400カ所の系列SSネットワークにて提供する。
さらに今後は、系列SSで展開している電力販売と超小型EVを組み合わせた新たなサービスの開発や、高齢者の運転状況を見守る仕組み、個々の車両を蓄電池と見立てた分散型エネルギーシステムの構築、車両・バッテリーのリサイクルシステムなど、新たなモビリティサービスの開発に取り組んでいく考えだ。
出光興産とタジマモーターは、公共交通機関が脆弱な地方部に着目し、岐阜県飛騨市・高山市、千葉県館山市・南房総市で2年にわたり実証を重ねてきた。この実証を通じ、地方部に限らず、様々なエリアにおいて、異なる移動手段に対する多様なニーズがあることを確認。超小型EVといった新しいカテゴリーのモビリティを提供することにより、手軽で小回りの利く、必要最小限の機能を備えたモビリティとデジタル技術を活用した利用の仕組み、また、法人と個人ユースを組み合わせた新たな利用モデルを提供することで、多様な移動に対するニーズに応えていく。これにより、年間100万台相当の新たな需要を創出することを目指す。