星光PMCの12月期 減収減益も今期は最高益に挑戦

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2021年3月1日

 星光PMCは22日、2020年12月期(1-12月期)連結業績の説明会をウェブで行った。売上高は前年同期比7%減の260億円、営業利益6%減の26億円、経常利益6%減の27億円、純利益14%減の17億円となった。滝沢智社長は「コロナウイルスの影響で事業環境は悪化し、国内は厳しい1年だったが、海外は中国を中心に比較的早期の需要回復で想定以上に持ち直し、業績を下支えした」と総括した。

 セグメント別で見ると、製紙用薬品事業は減収減益。紙・板紙の国内生産は前年同期比10%減で、差別化商品の拡販に努めたが、国内・中国での売上減少が響き減益となった。

 樹脂事業は減収減益。粘着剤の売上高は増加したが、印刷インキの国内生産は同12%と大幅減少し、印刷インキ用・記録材料用樹脂などが減少。原価低減を図るも利益は微減となった。

 化成品事業は増収増益。主力製品の輸出売上増加が寄与した。来期も新型コロナの収束は見通せず国内外とも厳しい経済状況が続くが、第2四半期以降の景気持ち直しをにらみ、売上高は10%増の286億円、営業利益7%増の28億円、経常利益7%増の29億円、純利益6%増の18億円を見込む。投資もベトナム工場を中心に、国内外で40億円を計画し、差別化製品とサービスの提供、研究開発・生産・営業一体の業務効率化・合理化に取り組む。

 製紙用薬品事業は、国内では差別化したソリューションや高機能製品で販売拡大、海外では製品ポートフォリオを拡充し設備稼働率を上げて中国・東南アジアでの拡販を進める。またベトナムの年産3万tの工場は、今年末完工の予定だ。

 樹脂事業は、印刷インキ用・記録材料用樹脂市場の変化に応じた製品ポートフォリオの抜本的見直し、生産体制の効率化、海外の印刷インキの環境対応・水性化のニーズに応えた樹脂の開発・販売などで収益基盤を再構築する。好調の新綜工業(台湾)は観音新工場で環境型粘着剤の生産能力を倍増し、既存事業とグループ内シナジーを進める。

 化成品事業は、競争優位の機能性創造モノマー・オリゴマーで事業基盤を強化する。CNF(セルロース)配合樹脂の用途展開も加速させる。

 中計目標には届かないが、業績や海外売上比率、そして環境戦略製品の売上指標Green Indexは着実に進捗している。滝沢社長は「事業環境の見通しが立てにくい状況ではあるが、施策を確実に実行し、2019年度に達成した過去最高益の更新に挑戦したい」と述べた。