東洋紡 燃料電池セルの封止材がトヨタ新型FCVに採用

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2021年3月9日

 東洋紡の子会社、東洋紡フイルムソリューションはこのほど、燃料電池自動車(FCV)に搭載する燃料電池セル用シール材を開発し、トヨタ自動車が昨年12月に発売した新型FCV「MIRAI」に採用されたと発表した。

新型「MIRAI」(写真協力:トヨタ自動車)
新型「MIRAI」(写真協力:トヨタ自動車)

 採用されたシール材は、車載用途でも採用を伸ばすポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム「テオネックス」に、独自の接着剤を塗工し精密加工を施したもの。燃料電池セルを生産する際にセルの構成部材を接合する用途に加え、発電面の保護、絶縁、ガス導出入形状の維持など、様々な機能を提供する。

 過酷な環境下でも高い耐久性を実現し、燃料電池の長期信頼性の確保に貢献することなどが評価され、今回の採用となった。また、新規に開発した接着剤などの効果により、部材の高速接合が可能となり、1セルあたりの生産時間を大幅に短縮する機能も併せもつ。

新型「MIRAI」の燃料電池ユニット(写真協力:トヨタ自動車)
新型「MIRAI」の燃料電池ユニット(写真協力:トヨタ自動車)

 東洋紡フイルムソリューションは、水素をエネルギー源とし、走行中には水しか排出しない究極のエコカーとして普及が期待される新型「MIRAI」に同シール材を提供することを通じ、健全で持続可能な社会づくりに貢献していく考えだ。

 なお、「テオネックス」は、同社が世界シェアをほぼ独占する、優れた機械強度特性と電気絶縁特性をもつ高耐久・高耐熱フィルム。コストパフォーマンスに優れ、PETフィルム同様の使いやすさも兼ね備えており、新たな市場ニーズに応えることが期待されている。