NEDO 安全安心なドローン基盤技術開発で実機を公開

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2021年4月15日

 NEDOは13日、安心安全なドローン基盤技術開発に関する記者説明会を開き、プロトタイプを公開した。

提供:NEDO
公開されたドローン実機(提供:NEDO)

 ドローン市場は急拡大しており、2025年の国内市場は5000億円規模になり、特に災害時の被災状況調査や監視・捜索などの政府・公共部門を始め、老朽化するインフラの点検、スマート農業や物流などの産業用途が9割近くを占めると予測される。

 一方、小型ドローン(重量2kg以下)の8割は中国製で、撮影画像や飛行ルートなどの情報管理に課題がある。そこで安全性と信頼性を確保した標準ドローンを設計開発し、国内ドローン産業の競争力強化と関連するビジネスエコシステム醸成のために、2020~21年度、予算16億円の委託・助成事業を行い、ドローン標準機体とフライトコントローラー標準基盤、主要部品の設計開発と量産体制の構築を支援している。

 自律制御システム研究所を中心にヤマハ発動機、NTTドコモ、ザクティ、先端力学シミュレーション研究所の5社のコンソーシアムで取り組んできた。製品仕様は飛行時間30分、標準カメラは4K動画対応の2000万画素で、可視・赤外やマルチスペクトルカメラにワンタッチで切り替え可能。飛行データ・撮影データや通信はセキュリティ対策がとられ、国内クラウドに保管される。防塵・防水対策や静音プロペラ、自動飛行、衝突回避機能もある。フライトコントローラーAPIと主要標準部品のインターフェースは7月末の公開、市場導入は今年度中を目指している。

 経済産業省次世代空モビリティ政策室の川上悟史室長は「ベンチャー主導で進めるのは異例だが、その結果、2年未満で仕上がった。あえてこの段階で公開するのは、メーカーやユーザーへの認知度を上げるのが狙いだ」と、普及拡大への期待感を示した。引き続き市販に向けて完成度を上げるとともに、ビジネス戦略の策定を行う。

 市場導入後は政府機関の調達や公共領域、インフラ点検などの産業用途での活用と、APIを活用する付加価値サービスや主要部品のインターフェースを利用した高機能部品の提供、スピーカーやスポットライトなどのオプション品の充実による産業用途の拡大など、ビジネスエコシステムの醸成を図っていく考えだ。