三菱ケミカルホールディングスは12日、2021年3月期の連結業績を発表した。売上高は前年比9%減の3兆2575億円、コア営業利益10%減の1747億円、営業利益67%減の475億円、純損失76億円(前年比617億円減)となった。上期はコロナ影響を受けたが、下期以降は経済活動の回復とともに国内外の需要が持ち直し回復基調となった。
セグメント別に見ると、機能商品セグメントは減収・利益は前年並み。機能部材は、下期以降に需要は回復しつつあるものの、高機能成形材料の高機能エンプラなどの販売数量が減少した。機能化学は、高機能ポリマーの機能性樹脂などの自動車向けの販売数量が減少したことや高機能ポリマーの定修の影響があったものの、下期以降の需要回復、フェノール・ポリカーボネートチェーンの市況が上昇した。
素材分野のケミカルズセグメントは減収減益。MMAは、下期以降に市況が上昇しているものの、低水準で推移したことが響いた。石化は定修影響が拡大し販売数量が減少したことに加え、原料価格下落に伴い販売価格が低下した。炭素は、販売価格が低下し、コークスなどの需要減退に伴い販売数量が減少した。
産業ガスセグメントは減収減益。エレクトロニクス関連向けガスは好調に推移したが、国内外の需要が総じて減退した。ヘルスケアセグメントは減収増益。医薬品は、薬価改定による影響があったものの、コロナ禍の活動自粛などにより販売費や研究開発費が減少した。
2022年3月期の通期業績予想については、売上収益12%増の3兆6600億円、コア営業利益32%増の2300億円、営業利益4・5倍の2160億円、純利益970億円(1046億円増)を見込む。ケミカルズの一部製品における堅調な市況の継続、機能商品の自動車用途などでの需要の継続、産業ガスの需要継続を想定している。