トクヤマはこのほど、液体カセイソーダ専用船として次世代スマートアシストシップ199型内航小型ケミカルタンカー「りゅうと」を6月に就航し、運航者の邑本興産、船主の冨士汽船、造船会社の本瓦造船と共同で、内航海運の中でも特に小型船が抱える船員不足や高齢化問題などの改善に取り組むと発表した。
トクヤマは、2019年に「ホワイト物流」推進運動・自主行動宣言を提出。輸送の生産性の向上・物流の効率化や、働きやすい労働環境の実現に取り組み、物流事業者との連携を通じて、持続可能な物流の実現を目指している。今回の次世代スマートアシストシップの建造については、トクヤマの方針と合致する取り組みであり、計画段階より関係者と協議を重ね、内航海運業界における課題を共有するとともに、内航小型ケミカルタンカーとしては国内初の取り組みについて理解を深めてきた。
同船に導入した最新技術「集中荷役遠隔システム」・「遠隔監視システム」・「離着桟支援システム」は、乗組員の作業を軽減することを目的に、特に高度な技術・熟練の技が求められる機関室の監視や離着桟作業へ支援を行うことで省力化を実現。深刻な人手不足の解消に繋がることを最大の効果として期待している。
「りゅうと」の就航後は、実際の航海や離着桟や荷役作業での安全性や有効性の検証を継続して行い、最新技術の有効性を実証していく。
同船の導入は、当社の事業運営に不可欠な海上輸送、特に内航小型船での安定的・継続的な輸送の実現につながる取り組みと位置づけられる。トクヤマは、これからも運航者、船主をはじめとする関係者との協力体制を築き、顧客の満足度向上に向けて努力していく。