日本触媒 三次元細胞培養容器で膝関節症の臨床研究を開始

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2021年6月10日

 日本触媒は9日、三次元細胞培養容器「ミコセル」で作製した脂肪由来幹細胞凝集塊の変形性膝関節症に対する臨床研究について、共同研究先のそばじまクリニック(大阪府東大阪市)で二例の被験者への投与が行われたと発表した。

「ミコセル」を用いた変形性膝関節症に対する臨床研究

「ミコセル」は、日本触媒が独自技術により開発した三次元細胞培養容器で、粒子径がそろい生体内での状態に近い細胞凝集塊を多量に作製できるのが特長。両者は、「ミコセル」によるヒト脂肪由来幹細胞凝集塊の変形性膝関節症に対する安全性、および有効性のデータ取得を目的とした臨床研究を実現するため共同研究を今年2月から実施してきた。

 今回の臨床研究では、患者自身の脂肪由来幹細胞を「ミコセル」で細胞凝集塊とし、これを膝関節内に注射で投与する。計5人の患者へ投与して来年3月までに細胞凝集塊の安全性を確認する計画だ。なお、臨床研究は、そばじまクリニックが「第2種再生医療等計画」を再生医療等委員会へ申請、昨年6月に承認され12月に近畿厚生局に受理された。両者は臨床研究を通して、細胞凝集塊を使った治療の実用化と再生医療のさらなる発展に向けて貢献していく。