旭化成は2日、スパンデックスポリウレタン弾性繊維事業において、ドイツの製造子会社「旭化成スパンデックスヨーロッパ」(ノルトラインヴェストファーレン州ドルマーゲン市)における製造・販売を停止し、欧州の統括拠点「旭化成ヨーロッパ」(同州デュッセルドルフ市)にて輸入販売を開始するなどの構造改革を進めることを決定したと発表した。
同社は、原料一貫製造と優れた独自技術を強みとするプレミアムストレッチファイバー「ロイカ」ブランドをもち、日本、台湾、中国、タイ、ドイツの世界5拠点で同事業を展開。今回の構造改革では、同事業のさらなる体質強化、効率化を図る目的で、グローバル戦略を見直し、製造・販売体制の最適化を進める。その一環として、コスト高および欧州市場での競争激化により将来の収益性を見込むことが難しい「旭化成スパンデックスヨーロッパ」における製造販売を、2022年3月をめどに停止することを決定した。
一方、同事業にとって欧州はファッション、サステナビリティにおけるトレンド発信地として引き続き重要なマーケットと位置づけており、今後は同社の欧州統括拠点「旭化成ヨーロッパ」において、他拠点で生産した製品の販売、テクニカルサービス、マーケティング活動を継続する。旭化成は引き続き、高品質・高機能・サステナブルな「ロイカ」の製造メーカーとして、生産の高度化と開発・営業面での連携をさらに強化し、マーケット、顧客へ新たな価値を提供し続けていく。