東レはこのほど、マレーシアの東レプラスチックマレーシア(TPM)で生産能力の増強を行っていたABS樹脂「トヨラック」透明グレードについて、本格生産を開始したと発表した。年産7万5000tの生産設備の増強により、TPMのABS樹脂生産能力は同42万5000tとなり、既存の千葉工場(市原市)と合わせて、同社グループ全体の生産能力は同49万7000tまで拡大した。
同社グループのABS樹脂は、透明グレード、制電グレード、良塗装グレード、耐薬品性向上グレードなどの「トヨラック」高機能グレードをラインアップ。主な販売先である中国、ASEAN市場に加え、欧米やインド市場へのさらなる販売拡大を進めていく計画であり、今後についても生産能力の増強を検討している。
同社は、中期経営課題の基本戦略の1つとして「成長分野でのグローバルな拡大」を推進。拡大する透明ABS樹脂の需要を確実に取り込み、さらなる供給安定性向上のため、今後も日本国内のABS樹脂生産拠点である千葉工場とマレーシアのTPMの有機的な連携をさらに強化し、グローバルな事業拡大を強力に推進していく。