DICは25日、子会社であるDICグラフィックスが、オフセット用印刷インキについて10月18日出荷分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、商業オフ輪インキおよび油性枚葉インキが「50~100円/kg」、UVインキが「100~150円/kg」、新聞インキが「30~100円/kg」となっている。
主原料である顔料、樹脂、植物油、溶剤、光重合開始剤などは、世界的な景気回復に加え、環境対応による生産コストの上昇や各地で起こる天候不順などが影響し、世界規模で需給バランスが崩れ原料価格が高騰している。さらに容器などの副資材価格や物流コストも上昇し続けている。
こうした中、DICグラフィックスは、銘柄統合と原料調達の見直しを進めるとともに、営業拠点の縮小や工場の統廃合によるダウンサイジングなどの様々なコストダウン策を実施してきたものの、オフセット用印刷インキの需要減少に加え、昨春からのコロナパンデミックによる需要急減により、自助努力だけでは事業運営が厳しい状況にある。同社は、原料価格や物流コストの上昇分を吸収することは極めて困難なことから、事業継続と安定供給のために、今回の値上げを決定した。