SABIC 再生可能原料使用のPCがISCC認証取得

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2021年9月6日

 SABICはこのほど、再生可能原料ベースのポリカーボネート(PC)フィルム・シートを製造するファンクショナルフォームズ本部のオランダ工場が、国際持続可能性カーボン認証ISCC PLUSを取得したと発表した。ISCC PLUSは、マスバランス方式による会計システムにより、原料から最終製品までのサプライチェーンのマテリアルフローを追跡して認証される。

 新しいバイオベースの「LEXAN(レキサン)」フィルム・シート製品は、原材料のPC樹脂の一部に食物連鎖と直接競合しない第二世代原料を使用して製造される。化石ベースの原料の代わりに再生可能または循環型の原料1tを生産プロセスに投入すると、生成した材料の約1t分が再生可能または循環型として分類される。マスバランス手法を適用することで、これらの認証材料を使用した製品の持続可能性の文書化・数値化が可能となる。

 PAS 2050(カーボンフットプリント公開基準)に従ってライフサイクル分析(LCA)を行い、「原料入手から製品出荷まで」と「原料入手から寿命の終わり」までのCO2排出量を従来の化石ベースのルートと比較評価した結果、認証再生可能原料ベースのPC樹脂1kgにつき、化石資源の枯渇を最大35%緩和し、CO2排出量を最大60%削減し得ることが分った。

 SABICが取り組みを進める「TRUCIRCLE」ソリューションの一環として、プラスチック循環経済に対する持続可能な材料ソリューションへの世界的な需要に応えるものだとしている。環境バランスを強化し、意欲的な持続可能性目標の達成に向けた有効な代替手段を提供し、耐久性とリサイクル性を備えた応用ソリューションとして、様々な産業での価値創造に貢献していく考えだ。