KHネオケムは4日、2021年12月期第3四半期(1-9月期)の連結業績を発表した。売上高53%増の838億円、営業利益四倍の140億円、経常利益4.2倍の144億円、純利益4.3倍の101億円となった。
電話会議による決算会見において濵本真矢常務執行役員は、「当期は、コロナ禍にあっても需要が堅調に推移した。価値に見合った価格改定により大幅な増益となり、中計目標の営業利益135億円を達成した」と総括した。
当期の事業環境は、個人消費が低迷した一方で、ワクチン接種進展による経済活動正常化への期待感の高まりや、5Gなどの技術やライフスタイルの変化に応じた新たな需要がみられた。新規感染者数は9月以降に減少に転じ、経済活動の正常化が徐々に進展しつつある中、製造業において半導体不足や原材料価格高騰の影響もあった。
こうした中でも、前年度後半より徐々に回復した需要が大きく伸長。需給バランスが引き締まる環境下で適切な価格で販売した結果、利益が大きく伸長した。
セグメント別には、基礎化学品は増収増益。溶剤、可塑剤原料ともに累計期間を通じて堅調な需要が続き、海外市況の高騰により輸出の採算性が大きく向上。国内価格の見直しも寄与した。
機能性材料は増収増益。冷凍機油原料は前年度後半から需要が回復し、好調な需要が継続。化粧品原料はインバウンド需要の低迷は続くが、一部の海外向け需要に回復がみられた。
電子材料は増収増益。半導体向けを中心に前年度からの好調な需要が継続。海外市況の高騰を受け、国内価格の見直しを行った。
なお同日、連結業績の修正を発表。最近の業績動向を踏まえ、売上高は1160億円(前回予想比40億円増)、営業利益は185億円(同30億円増)、経常利益は187億円(同28億円増)、純利益は130億円(同20億円増)を見込む。次期中計の方向性について濵本常務は、「サステナブル経営の推進に向けて『七の約束』を掲げ、マテリアリティとKPIの設定を進めている」と語った。