三井化学は14日、大阪工場(大阪府高石市)にネステ(Neste)社のバイオマスナフサ3000tが到着し、エチレンクラッカーへの投入を開始したと発表した。
社会のカーボンニュートラル(CN)実現に向けたプラスチックのバイオマス化を進めるため、日本初となるバイオマスナフサからのバイオマス誘導品の生産を始めた。今後は大阪工場のエチレンクラッカーから誘導品へ展開し、ISCC PLUS認証に基づいたマスバランス方式で各種プラスチック・化学品に割り当て、バイオマス認証を付与した製品として出荷していく。
三井化学は、循環経済の実現に向け、化学品・プラスチックのリサイクルとバイオマス化の両輪を進めていく中で、地球温暖化対策に貢献するバイオマス化は、2050年CN実現に向けた重要な戦略課題と捉えている。
バイオマスナフサを使用することで、原料からプラスチック製品が廃棄されるまでのライフサイクルを通したCO2は、石油由来ナフサ使用時に比べて大幅な削減が期待されている。年明けにはさらに3000tのバイオマスナフサの到着を控えるなど、トータル1万tの調達をすでに確保しており、素材・プロセスの開発とともにバイオマスナフサの本格導入を進め、着実にバイオマスの社会実装を推進していく考えだ。
今回使用するのは、フィンランドのバイオマス燃料製造会社、ネステ社のバイオマスナフサ。植物油廃棄物や残渣油を原料に製造されており、石油由来原料を使用しない100%バイオマス由来のナフサになる。石油由来品に比べれば割高感のあるバイオマスナフサ由来品のコスト吸収や、今後投入量が増えれば原料調達の課題も抱えるが、まずは日本初のバイオマスナフサ導入により市場性を検証しながら、三井化学は製品提供を通じたグリーンケミストリーを推し進めていく。