SBRやBRは伸び率鈍化、タイヤ関連に減速感
合成ゴム工業会がこのほど発表した生産・出荷・在庫実績によると、9月の合成ゴムの出荷量は前年同月比3.5%減の11万900tだった。昨年9月以来、1年ぶりにマイナスに転じている。ただ、前月比で見ると8.1%増となっており、需要は底堅く推移していると見られる。
品目別に見ると、SBR(前年同月比0.8%増の4万2200t)、NBR(同3.4%減の8600t)、CR(同2.2%減の1万400t)、BR(同3.1%減の2万3800t)、EPT(同18.8%減の1万3200t)、その他(同0.1%減の1万2800t)となった。SBRは微増となったものの、それ以外の品目はすべてマイナス。ただ前月比ではEPT以外はプラスとなっており、前月の落ち込みからは数量を戻している状況だ。
合成ゴムの需要業界のうち、日本自動車タイヤ協会のまとめでは、9月の自動車タイヤ・チューブ生産は、本数で前年同月比1.5%増、ゴム量で同13.6%増、原材料の新ゴム(合成)の消費量は同12.0%増となった。前月比でも、タイヤ関連の合成ゴムの出荷は20%程度プラスとなり、8月の落ち込みから回復している。
日本建設機械工業会がまとめた9月の出荷金額は同29.0%増となり、7カ月連続で2桁のプラス。ただ、前月からはプラス幅が縮小した。日本工作機械工業会による9月の受注総額も同71.9%増と勢いがやや鈍化しており、機械関連は好調を維持しているものの減速感が出てきている。
一方、9月の合成ゴムの生産は、前年同月比31.6%増の12万4700tとなった。品目別ではSBR(同54.4%増)、NBR(同29.9%増)、CR(同40.9%増)、BR(同15.2%増)、EPT(同26.9%増)、その他(同14.3%増)となり、すべての品目で二桁増の高い伸びを示した。なお、9月の稼働率は72.0%と前月から4.1ポイント下降。在庫は前年同月比14.5%減の28万900tと、13ヵ月連続でマイナスとなっている。
また、合成ゴム全体(ソリッドとラテックス)の輸出は、同7.4%減の6万1200tとなった。ソリッドでは、CR、NBR、IRがプラスになったのに対し、SBRやBRなどがマイナス。ラテックスでは、SBRは大幅増となったが、CR、NBR、その他は2桁減となっている。輸入は、同38.5%増の1万2600tとなり、すべての品目でプラスとなっている。