三井化学 QA活用し、シグマアイと化合物探索実証開始

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2021年12月24日

三井化学は23日、量子アニーリングマシンを活用した研究開発ソリューションやアプリケーションを提供するシグマアイ (東京都港区)と共同で、材料探索を加速化する量子アニーリング(QA)による、化合物探索や組成配合最適化など具体的な事例の応用実証研究を開始したと発表した。

量子アニーリングが加速するブラックボックス最適化

製品開発の場面では、最適な開発品を生み出すために試作と評価を繰り返す必要があり、時間やコストの軽減が求められている。両社は、データが少ない状況でもより少ない回数で希望する候補材料を選定する方法として、QAを活用したブラックボックス最適化技術に注目した。

実験的手法や計算科学的手法、データ科学的手法といった製品開発の様々な手法に、分析と候補決定の間にQAのブラックボックス最適化技術を組み込むことで、選定される候補の精度が上がり、従来に比べ最適解を得るまでの時間とコストの削減が可能になる。今回の実証研究により広く化学分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)浸透が期待されるとともに、三井化学はさらなる製品開発力と市場提案力の向上を目指す考えだ。

製品開発の様々な手法に最適化技術を組み込むイメージ図

QAとは、組合せ最適化(離散最適化)問題に特化した量子理論の1つ。OAによるブラックボックス最適化技術は、物性評価のように実験・測定しなければ分からない評価値(ブラックボックス)を所望の値に近づけるための手法だ。量子コンピュータの量子アニーリングマシンにより、ブラックボックス最適化技術の計算ボトルネック部分を高速化する。同技術は、材料探索に留まらず、様々な探索・最適化への応用が期待されている。