今年は当社グループの経営体制が変わる。4月からは社名も「UBE」に変更し、セメント関連事業は新会社「UBE三菱セメント」をスタートさせる。宇部興産本体は複合事業会社から化学事業の会社になり、建設資材事業と機械事業は別会社組織で、より一層自律性を高めた新たなグループ経営に取り組んでいく。
社名変更には、一層のグローバル化とともに、石炭エネルギーに大きく依存しない事業構造への転換を目指すという強い決意が込められている。新たな社名の下で、激しい事業環境の変化に果敢に対処していきたい。皆で想いを1つにして進んでいこう。
コロナ禍は社会の様々な課題をあぶり出すとともに、時代の変化を加速させる触媒の役割を果たしている。変化のキーワードはGX(グリーン・トランスフォーメーション)とDX(デジタル・トランスフォーメーション)だ。この認識の下、我々は今年度から新中期経営計画をスタートさせ、ますます加速する環境変化に積極的に対応していきたい。
新中計では、スペシャリティ化学事業を中心に成長を加速させ、一つ一つの柱を太くしていく。ベーシック化学事業は構造改革と汎用グレードから一層のスペシャリティシフトにより、カーボンニュートラルへの対応と収益力強化を両立させる。
創業の精神である「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」は、「すべてのステークホルダーとの共生」「化石資源の制約を受けない、時代の要請に応じた事業構造への転換」といった現代的意味合いをもって今も息づいている。
これからもこの2つの精神の下、長い歴史の中で培ってきたモノづくりの技術を生かし、社会に必要とされている価値を、社会が求める安全で環境負荷の少ない方法で創り出し、常に人々に提供していくことが我々の使命であり、当社のパーパスだ。
今や人類共通の課題となった地球環境問題の解決に向けて、また人々の生命と健康、そして未来へとつながる豊かな社会に貢献すべく、今後も絶えず自己変革に挑戦し、持続的な成長を図っていこう。