東レ・カーボンマジック SCTに資本参加、開発を加速

, , ,

2022年1月14日

東レ・カーボンマジック(TCM)はこのほど、モビリティをはじめとする産業用途での事業拡大を図るため、RTM(レジン・トランスファー・モールディング:樹脂注入)成形による〝ものづくり〟を強みとするSCT(群馬県伊勢崎市)へ資本参加したと発表した。

SCTは、独自の成形技術開発によりFRPの高性能化・高精度化・高品質化を推し進め、数多くの製品化を実現しており、その技術力と実績で高い評価を得ている。最新の複合材は、軽量化による省エネルギー化、ひいてはカーボンニュートラルの実現に向けて、様々な用途での活用が急速に進んでいる。

両社は、今回の資本参加を機に協業体制をさらに強化し、顧客のより広範なニーズに応えるために、TCMがもつ設計・解析技術と、SCTがもつ成形技術とノウハウを融合させて創造的な製品開発を加速していく。

RTM成形には多様な成形手法があり、その中でSCTが得意とするのは、VaRTM成形、L‐RTM成形と呼ばれる製法。TCMが得意とするオートクレーブ成形法と比較した場合の利点として、①オートクレーブなどの専用設備が不要、②大型製品の一体成形が可能、③成形品の表面平滑性が安定、④成形・型材料の選択肢が広がりコストの低減が可能、⑤成形エネルギーの抑制が可能、などが挙げられる。

また、ウェットレイアップ工法のFRPに対しては、①高い繊維含有率により物性が向上、②厚み精度と積層構造が安定、③成形の作業環境が改善、といった利点がある。両社は、これらの利点を顧客へ提供していくために、共に技術を研鑽していく。