東洋紡はこのほど、サントリーグループと米国バイオ化学ベンチャーのアネロテック社が共同開発した植物由来原料を100%使用したペットボトルの試作にあたり、原料となる100%バイオPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂の重合に成功した。サントリーとアネロテック社は、2012年から植物由来原料のみを使ったペットボトルの開発に共同で取り組んできた。
PET樹脂は一般に化石由来の「エチレングリコール(EG)」と「テレフタル酸」を重合して作られる。植物由来EGによるPET樹脂を使ったペットボトルはすでに実用化されているが、テレフタル酸の粗原料「パラキシレン」を植物由来原料から作るのは困難とされてきた。
今回、アネロテック社の独自技術により非可食のウッドチップから作った植物由来原料100%のテレフタル酸と植物由来のEGから100%バイオPET樹脂を重合した。東洋紡は持続可能な社会の実現に向け植物由来原料への転換やリサイクル資源の活用を積極的に推進しており、2050年までに全フィルム製品のバイオプラスチック化などを目標に掲げている。
今後、100%植物由来原料で高いバリア性能をもつPEF(ポリエチレンフラノエート)フィルムの実用化に向けた取り組みを進める。また、昨年サントリーや東洋紡など国内のプラスチックバリューチェーン各社により設立した合弁会社アールプラスジャパンによる使用済みプラスチックの再資源化事業に参画するなど、循環型経済実現への貢献に努めていく。