デンカは、体外診断用医薬品00「クイックナビ」シリーズの新製品として、従来品より多くの遺伝子型に対応して感度を向上したノロウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ‐ノロ3」を10月26日から全国の医療機関向けに発売する。
ノロウイルスは、感染性胃腸炎の主要起因ウイルスとして知られ、食べ物や人の手などを介して口から体内に侵入したり、空気中に舞い上がったウイルスの粒子を吸入したりすると、感染性胃腸炎を発症する場合がある。冬場を中心に1年を通じて感染が確認されるほか、学校や高齢者介護施設など集団で過ごす施設では集団感染の恐れがある。また、ノロウイルスには多くの遺伝子型が存在し、それぞれ抗原性が異なる。多くの人が免疫をもたないと推定されるため、今後も流行するとみられている。
新型コロナの変異株と同様に、ノロウイルスの遺伝子型に対応して適切に抗原を検出できることは臨床的な意義がある。「クイックナビ‐ノロ3」は、従来品に比べ、多くの遺伝子型に対して感度を向上。糞便中のノロウイルス抗原の有無をイムノクロマト法により判定し、テストデバイスへ試料滴加した後、15分で結果が分かる。販売提携先の大塚製薬とデンカの2社が販売する。
「クイックナビ」シリーズは、コロナウイルスをはじめインフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、マイコプラズマ、ピロリ菌などの抗原に対応した迅速診断キットを販売しており、引き続き感染者数・需要状況に応じて柔軟な生産と供給対応を行っていく。
デンカは、ヘルスケア事業を重点分野の1つに位置づけている。感染症対策を社会的責務と捉え、抗原迅速診断キットだけでなくインフルエンザワクチンも製造・販売する国内唯一のメーカーとして、予防と診断の両面から感染拡大防止に取り組む。今後もSDGsを羅針盤に、誰よりも上手にできる仕事で全ての人がより良く生きる世界をつくる、社会にとってかけがえのない企業を目指していく。