帝人フロンティアなど3者 茶葉を起点に静岡発「ゼロエミ」構築へ

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2023年3月14日

 帝人フロンティアは13日、静岡大学、同大学発ベンチャー・S‐Bridges社(エスブリッジズ、静岡県浜松市中区)と共同で、これまで利用できなかった茶葉の繊維やたんぱく質、カテキンなどの有用成分を、ほぼ全量、抽出・分離濃縮することが可能となる技術を開発したと発表した。

今回廃発した技術により、茶葉から抽出・分離濃縮した茶葉繊維

 3者は同技術を活用し、茶葉や茶殻から抽出・分離濃縮した有用成分を、工業製品や食料品の原料、飼料や肥料へ組み入れるなど、様々な用途に展開していく。同時に、茶葉に加え、他の農産物にも同技術を応用し、未利用の有用成分を様々な用途へ展開する「ゼロエミッション(廃棄物排出ゼロ)」モデル構築の取り組みを開始する。

今回廃発した技術により、茶葉から抽出・分離濃縮した高たんぱく質溶液

 具体的には、今年後半に、茶葉の繊維や同繊維を使用した製品の販売を開始し、順次、たんぱく質やカテキン、それらを含んだ製品を販売する。また、静岡発の取り組みとなるため、まずは茶葉を活用することから廃棄物ゼロの取り組みを開始し、順次多様な業界や企業と連携することで、地域ごと、素材ごとに取り組みを拡大していく。さらに、同技術は一般的な植物の葉や果実にも応用ができることから、農産物の有効活用を通じた「サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現」に賛同する生産者や企業などへ、「ゼロエミッション」モデル構築の輪を広げていく考えだ。

 技術開発には、静岡大学とS‐Bridges社がもつ茶葉の細胞壁を破壊し内部の有用成分を抽出する独自技術と、帝人フロンティアがもつ成分の分離濃縮技術を融合した。従来の方法では抽出できなかった茶葉に含まれる成分を、ほぼ全量、抽出・分離濃縮する、茶葉全体を活用可能とする新たな技術を確立した。