東レ 合繊糸・綿・不織布を値上げ、原料などコスト上昇

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2024年6月18日

 東レは17日、衣料用・産業用の各分野へ販売するナイロンやポリエステルなどの合繊糸・綿(わた)・不織布を7月出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、ナイロン6、66長繊維(衣料用・産業用)、ナイロン6、ナイロン66短繊維、ナイロンBCF糸、ポリエステル長繊維(衣料用・産業用)、ポリエステル短繊維、ポリエステル長繊維不織布「アクスター」、ポリプロピレン長繊維不織布、アクリル短繊維。改定幅は「20~80円/kg」(海外からの輸入糸含む)。

 合繊糸と綿については、物流費の上昇を理由に、3月末に4月からの値上げを発表したが、その後も国内運輸費上昇に加えて、国際情勢変化によるスエズ・パナマ運河の混雑継続、紛争地回避輸送などにより、原料や原糸輸入のための運賃・フレート費用の上昇は継続している。また、東レおよび協力工場での国内生産工場の人手不足・要員維持のための労務費、業務委託費が上昇しているほか、円安影響により、原料や輸入原糸のコストはさらに上昇している。

 こうした事業環境下、同社はあらゆる角度から徹底的なコスト削減や効率化などを続けてきたが、コストの上昇は自助努力のみで吸収できる範囲を超えていることから、安定した品質での製品供給や、さらなる高付加価値品の開発・提案を行う体制を維持・推進するため、価格改定の実施を決めた。