BASF ジャパンは24日、全国農業協同組合連合会(JA全農)と共同で推進する栽培管理支援システム「xarvio FIELD MANAGER」において、4月中旬より、2025年の水稲栽培シーズンに向けた新機能を実装すると発表した。新たに、水稲栽培向けの防除タイミングアラートと製品推奨機能を拡充し、LINE通知サービスを開始する。xarvioの高度な農学的意思決定エンジンが提供する栽培支援情報を、身近なLINEアプリを通じてタイムリーに届けることで、農業者の生産性向上に貢献する。
今回の機能強化により、xarvio FIELD MANAGERは、病害・害虫・雑草に対応した防除タイミングアラートを提供し、さらに病害・雑草防除については状況に適した製品の推奨を行う。害虫アラート機能では、水稲に深刻な被害をもたらす飛来性害虫のトビイロウンカ・セジロウンカ、および近年発生が増加している斑点米カメムシ類(イネカメムシなど)の防除適期を通知する。これにより、坪枯れや不稔米・斑点米の発生リスクを最小限に抑えることに貢献する。雑草対策では、推奨機能の刷新により、雑草の発生状況に応じた提案や、一発処理剤や中後期剤を含む、より包括的な提案が可能になる。

BASFは、ユーザーがxarvio FIELD MANAGERの機能をより効果的に活用できるよう、LINE通知サービスを開始する。予測機能が利用可能な水稲、小麦、大麦、大豆、甜菜、馬鈴薯の6作物を対象に、栽培開始時期より作物ごとに週1回を目安に、病害・害虫・雑草の防除タイミングなどを通知する。水稲より開始し、順次他の作物の通知サービスを提供する。LINE通知を活用することで、農業者は重要なタイミングを逃さず、2~3週間先の作業見通しを立てやすくなり、リソースとコストの効率向上につながる。xarvio FIELD MANAGERの有料機能を利用中のユーザーは、後日メールで届くリンクやQRコードから「xarvio FIELD MANAGER」のLINE公式アカウントを「友だち追加」することで、有益な情報を受け取ることができる。

BASFジャパンのアグロソリューション事業部事業部長である野田信介氏は、「2021年のサービス開始以来、xarvio FIELD MANAGERは水稲を含む19作物の栽培をサポートしている。衛星画像とAI解析を活用して、農業者が各ほ場の状態を把握し、予測機能により栽培の見通しを立て、農機などとの連携を通じて作業の省力化や自動化を実現してきた。このたびの機能拡充により、AIを活用した病害・害虫・雑草防除の全体最適化が可能になり、農業者へのサポートが一層強化された。私たちは、農業者が迅速かつ的確な意思決定を行い、農場管理の効率と収益性を向上できるよう貢献する。」と述べている。