帝人とインドのバイオテクノロジー企業であるUR Advanced Therapeutics Pvt Limited(インドハイデラバード、URAT社)は14日、帝人グループが展開する埋込医療機器および再生医療関連製品のインド国内での展開、ならびにURAT社が展開する製品群の日本国内での展開に関して、業務提携の合意書を締結したと発表した。
帝人は2022年に再生医療・埋込医療機器部門を設立し、生体吸収埋込型医療機器を展開する帝人メディカルテクノロジー、再生医療事業を幅広く手がけるジャパン・ティッシュエンジニアリング、再生医療CDMOに専業で取り組む帝人リジェネットを展開し、「患者さんの欠損した組織や機能を補完する治療法の提供」を事業の基軸として成長を続けている。
URAT社は、インドのハイデラバードに本社を置く急成長中のバイオテクノロジー企業。再生医療分野において、AI技術で設計したペプチドや、治療や診断用途のエクソソーム、生体由来のバイオマテリアルを「Bio Varam(バイオ・バラム)」というブランド名で展開しており、Bio Asia 2024「Top5 Start Up」に選出されるなど、インド国内外でさまざまな賞を受賞している。
両社はこれまで、国内で展開する先進的な製品の海外進出に向けた取り組みを進めてきた。そして今回、先進的な製品の開発・製造・販売を手がける両社が提携し、世界有数の医療先進国である日本と、急速に医療の発展を遂げるインドで、両社製品を相互に展開することが、両国における未充足の医療ニーズの解決につながると考え、業務提携の合意に至った。


今回の業務提携は、両社製品の日印両国内での展開拡大を目指し、次のテーマについて検討するもの。
・帝人のグループ会社である帝人メディカルテクノロジーが製造・販売する心・血管修復パッチ「シンフォリウム」について、インド国内での薬事承認取得および販売の可能性。
・帝人のグループ会社であるジャパン・ティッシュエンジニアリングが展開する再生医療関連製品に関するインド国内での開発および製造・販売の可能性。
・URAT社が「バイオ・バラム」ブランドとして展開する、診断・治療に用いられるエクソソームや研究用途の合成ペプチド、Ⅰ型アテロコラーゲンなどの生体材料の技術を用いた製品の日本国内での開発および製造・販売の可能性。
今後、両社は今回の契約に基づき、これらのテーマの実現に向けて、具体的な事業化の可能性や規制対応、技術的な統合可能性、市場ニーズの検証などの検討を進めていく。
両社は、今般の合意に基づき、日本およびインドにおける細胞・遺伝子治療分野での製品開発や製造、ならびにインド国内での心・血管修復パッチ「シンフォリウム」の販売を目指した検討を進めていく。両国の市場動向や規制などの情報を相互に共有しながら、両社のより強固な協力体制の構築を推進していく。
帝人グループは、再生医療事業における2030年度の売上高目標200億円の達成に向けて、国内市場のみならず海外市場の需要取り込みを積極的に図るとともに、設備の拡充や人材育成などの事業基盤の強化を推進し、国内外の企業との提携を進めていく。