信越化学工業は24日、2019年4―6月期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比1%増の3862億円、営業利益13%増の1075億円、経常利益10%増の1089億円、純利益14%増の840億円と増収増益となった。
セグメント別で見ると、塩ビ・化成品事業は売上高微減の1228億円、営業利益4%減の254億円。塩ビ・化成品は、米国のシンテック社において塩化ビニル、カセイソーダともに市況の影響があったものの、高水準の出荷を継続。また、欧州拠点も底堅い出荷となった。国内拠点も今期の定期修理が小規模だったため、国内外ともに販売量を伸ばした。
シリコーン事業は、売上高1%増の564億円、営業利益18%増の159億円。シリコーンは、汎用製品の価格下落の影響を受けたが、機能製品を中心に拡販に努め、出荷は堅調に推移した。
機能性化学品事業は、売上高5%減の289億円、営業利益10%増の75億円。セルロース誘導体は、建材用製品と塗料用製品は一部地域で振るわなかったが、医薬用製品が堅調に推移した。フェロモン製品やポバール製品は堅調な出荷となった。
半導体シリコン事業は、売上高9%増の991億円、営業利益31%増の394億円。半導体シリコンは、半導体デバイス市場に軟化の動きが見られたが、高水準の出荷を維持することで業績は伸長した。
電子・機能材料事業は、売上高2%減の548億円、営業利益4%増の166億円。希土類磁石は、ハイブリッド車をはじめとする自動車向けでは堅調な出荷となったが、産業機器向けやハードディスクドライブ向けが需要鈍化の影響を受けた。
フォトレジスト製品はArFレジストが好調に推移。マスクブランクスは先端品に加え、汎用品、先端品も販売を伸ばし好調だった。光ファイバー用プリフォームは、市場の急激な悪化を受けて厳しい状況となった。
また、加工・商事・技術サービス事業は、売上高11%減の243億円、営業利益18%増の36億円となった。
なお同日、2020年3月期の連結業績予想を発表。売上高3%減の1兆5500億円、営業利益微増の4050億円、経常利益1%増の4180億円、純利益2%増の3140億円を見込んでいる。