旭化成 米医療機器メーカーの買収を完了、AED事業加速

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2019年8月29日

 旭化成は28日、子会社のゾール・メディカル社(米国マサチューセッツ州)が、AED(自動体外式除細動器)の製造・販売を行う米国の医療機器メーカー、カーディアック・サイエンス社(CS社:ウィスコンシン州)の買収を26日(米国東部時間)に完了したと発表した。同買収については、今年6月に買収に関する契約締結を公表していた。

 CS社は、製造拠点を北米にもち、北米や欧州などを主要な事業拠点とする。従業員は約220人。主なAED製品では「Powerheart」シリーズを、AEDの使用を補助するマネージメントシステムでは「Rescue Ready」を扱う。

 一方、ゾール社は救命救急医療の「救命の連鎖」全体を網羅する製品群を展開する企業であり、医療機関・医療従事者向けの製品で強固な事業基盤がある。なかでも、AEDを含む除細動器事業は北米随一のシェアで、医療機関向けに関してはグローバルなトップシェアを誇る。

 今回の買収は、AEDの製品群拡充により、救命救急医療の現場でより多くの命を救うことに貢献するというゾール社の使命に合致したもの。

 ゾール社は、CS社の製品ラインアップや販路を獲得することで、成長が見込まれるAED事業の強化を図る。また、CS社がもつ米国以外の販売網を取り込むことで、グローバル展開をさらに加速していく考えだ。

 なお、CS社のAEDは、販売国は約100ヵ国、設置台数は50万台にのぼる。ゾール社は2012年に旭化成グループの一員となって以降、積極的なM&Aなどにより救命救急医療領域の事業を拡大し、着実な成長を遂げてきた。

 今後も〝人びとのいのちを救う〟ために、技術革新による先進的な治療方法の提供やM&Aを推進し、さらなる事業拡大に取り組んでいく。