帝人は10日、ASEAN地域における樹脂製品への多様なニーズに応えるため、テイジン・コーポレーション(タイランド)社の敷地内にアセアンコンパウンド工場とテクニカルセンターを新設し、稼働を開始したと発表した。
ASEAN地域では、近年の人口増加や経済成長を背景に高機能樹脂製品の消費が拡大しており、これに伴い、樹脂コンパウンドの需要も高まっている。こうした中、同社は日本と中国の自社工場と、ASEAN地域の協力工場でこれらの需要に対応してきたが、今回の工場新設により、同地域の多様なニーズに迅速に対応できる体制が整ったことになる。
また、同社は長年培ってきた樹脂コンパウンドの技術を駆使して樹脂製品の高付加価値化を推進しているが、新設したテクニカルセンターをASEAN地域の開発拠点と位置づけ、市場成長率の高い同地域や中国に向けた製品開発を強化することにより、さらなる事業拡大を図っていく。
樹脂事業本部の山西昇本部長は「新設した生産・開発機能を駆使することにより、さらなる軽量化・高機能化が求められる次世代の自動車や通信用途において、ニーズに合致したコンパウンド樹脂製品の需要を取り込んでいく。また、ASEAN地域の顧客やパートナー企業と積極的に連携を図りながら、多様なニーズに応える革新的な製品を提供し、同地域の一層の発展に貢献していきたい」と述べている。
同社の樹脂事業は、今回のタイでの生産・開発拠点の新設により、日本・中国とのアジア三極体制を構築し、今後、各拠点の相互連携を促進することで、自動車やエレクトロニクス分野を中心とした多様なグローバル需要に対応していく。