三菱ケミカルはこのほど、国土交通省・経済産業省・農林水産省が提唱する「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、先月20日に自主行動宣言を提出したと発表した。
「ホワイト物流」推進運動とは、深刻化が続くトラック運転者不足に対応し、トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化と、女性や60代以上の運転者なども働きやすい、労働環境の実現に取り組む運動で、今年4月、国交省・経産省・農水省が上場企業と各都道府県の主要企業約6300社の代表者に対し参加の呼び掛けを行った。
化学業界の物流業務は、危険物である化学製品を取り扱う専門的な技能や知識が求められるため、運転者の人材不足が深刻な問題となっている。同社はこれまでも、より安定したサプライチェーンの維持に向け、物流事業者と一体になった物流効率化・安定化に取り組んできたことから今回、同運動に賛同した。
自主行動宣言は「予約受付システムの導入」「パレット等の活用」「混雑時を避けた配送」「船舶や鉄道へのモーダルシフト」「荷役作業時の安全対策」の5項目に提出。荷待ち時間を改善するため、ローリーとトラック予約システムの導入を図り、トラック運転者の手荷役による積み卸し作業削減のために、パレット化を推進する。
ゴールデンウィーク、年末年始などの長期休日に対しては、事前の輸送計画策定により出荷集中の緩和を図る。また、長距離トラック輸送の鉄道・船舶へのモーダルシフトを推進し、物流安定化とエネルギー原単位の向上に努めるとともに、労働災害・事故を防止するため、安全な作業手順の明示や安全通路の確保などの対策を講じ、必要に応じて保安荷役協定書の締結を推進していく。
同社は今後も、安全・安定・安心なサプライチェーンの持続性を高めるため、「ホワイト物流」推進運動を通じて、物流事業者と連携し、持続可能な物流環境を確保していく考えだ。