出光興産は26日、マレーシア・パシルグダン事業所内の第2SPS(シンジオタクチックポリスチレン)製造装置の建設と商業運転開始後の生産、販売に対応するための組織として「出光アドバンスドマテリアルズ(マレーシア)略称IAM」を14日に設立したと発表した。
出光興産100%出資の子会社で、資本金は約27億円。第2SPS装置は生産能力が年産9000tで、2022年4月の完工、8月の商業運転を予定している。
同社のオンリーワン技術であるSPS樹脂は、1985年に世界初の合成に成功し、1997年に世界で最初の工業化を達成したエンジニアリングプラスチック。「ザレック(XAREC)」の商品名で展開している。
「耐熱性(融点270℃)」「耐熱水性」「絶縁性」「電波透過性」に優れているため、自動車の電動化や、5Gといった高速通信機器のニーズに合致したエンプラとして、需要が年率約10%で伸びている。
同社は今後需要の拡大が見込まれる、自動車電動化や高速通信機器の需要に応える製品製造・販売体制を確立していくとともに、同事業の強化・拡大を目指す。