旭化成が7日に発表した2019年度第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比微増の1兆5885億円、営業利益は同11%減の1402億円、経常利益は同12%減の1457億円、純利益は同10%減の1038億円。
売上高は、住宅セグメント・ヘルスケアセグメントは買収したエリクソンとカーディアック・サイエンスの新規連結に加え、既存事業の拡大で増収となったが、マテリアルセグメントが減収となり、全体として微増に留まった。
営業利益も住宅セグメント・ヘルスケアセグメントは順調に推移し増益だったが、マテリアルセグメントが中国成長鈍化などの影響を受けて減益となったことで、全体でも2桁減だった。
マテリアルセグメントは売上高が同6%減の8359億円、営業利益は同26%減の791億円。基盤マテリアル事業はナフサクラッカーの臨時修理と誘導品の定期修理による販売数量減、ナフサ価格下落に伴う在庫総平均差などにより減益となった。
パフォーマンスプロダクツ事業はセージの連結があったものの、タイヤ向け合成ゴムの不振やエンジニアリング樹脂の販売数量減などで減益。スペシャルティソリューション事業も韓国ESS火災の影響によるLIB用セパレータの販売数量減などで減益となっている。
住宅セグメントは売上高が同10%増の4897億円、営業利益は同19%増の462億円。建築請負部門の引き渡し棟数の増加、物件の大型化による平均単価上昇により増益となった。
ヘルスケアセグメントは売上高が同6%増の2511億円、営業利益は同5%増の358億円。医薬事業での固定費減少と、医療機関向け除細動器やAEDなどのリサシテイション事業の販売数量増で増益となった。
通期の連結業績予想については、マテリアル領域の事業で市場環境の特段の改善が見込まれないことや、1月に発生したナフサクラッカーの一時停止の影響などを織り込み下方修正した。
売上高は前期比1%増の2兆1900億円(前回予想比310億円減)、営業利益は同15%減の1785億円(同145億円減)、経常利益は同17%減の1835億円(同160億円減)、純利益は同14%減の1275億円(同155億円減)の見通しとなった。