ダイセル 新型コロナのワクチン開発に投与デバイスを提供

, , , ,

2020年3月16日

 ダイセルは13日、大阪大学とアンジェス(大阪府茨木市)による新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)向けDNAワクチンの共同開発に、細胞内へ薬剤を送達する新規投与デバイス「アクトランザ ラボ」技術を提供すると発表した。

 投与の際に新規投与デバイスを使用することにより、遺伝子発現効率とDNAワクチンの抗体産生力を上げることで、より有効性の高いDNAワクチン開発が期待できる。

 これにより、大阪大学とアンジェスの共同開発、ダイセルの新規投与デバイスを用いた薬剤送達技術でのDNAワクチン開発の加速化、プラスミドDNAの製造技術と製造設備を持つタカラバイオ(滋賀県草津市)の製造と、開発から製造までの一貫したプロセスで、6カ月以内のできる限り早い時期の臨床試験開始を目指す。

 ダイセルの新規投与デバイス「アクトランザ ラボ」は、火薬を駆動力として針を用いることなく薬液を特定の組織内に送達する技術。動物モデルを用いた研究によると、従来の針を用いた注射と比較して、送達場所の正確さに加えて遺伝子発現効率を高めることが報告されている。皮膚内には筋肉内に比べ免疫担当細胞が多くいることから、ワクチンの効率を高めることが期待できる。