日鉄ケミカル&マテリアルは8日、2020年3月期の連結業績(IFRS)を発表した。売上高は前年度比13%減の2157億円、事業利益は26%減の184億円と減収減益となった。ROS(売上高利益率)は、8.5%と前年度から1.6ポイント低下している。
セグメント別で見ると、コールケミカル事業は売上高9%減の490億円。上期まで堅調に推移してきた黒鉛電極向けニードルコークスの需要は下期に陰りが見え始め、第4四半期には新型コロナウイルス感染拡大の影響も受けて、より厳しい環境となった。
化学品事業は売上高18%減の930億円。低迷を続けてきたスチレンモノマーの市況が、新型コロナウイルス感染拡大および原油価格下落の影響を受けて、年度末に向けて大きく下落した。
機能材料事業は売上高7%減の560億円。スマートフォン向け材料や半導体関連材料の販売は厳しい一方で、自動車や電子機器向けの絶縁・放熱材料として使用される球状アルミナの販売は堅調に推移した。
複合材事業は売上高5%減の180億円。補修・補強用途を中心に土木・建築分野向け炭素繊維複合材料の販売が伸長した。