ポリスチレン コロナ禍で厳しい事業環境が継続

2020年7月1日

川下の需要が低迷、7月の値下げ前に買い控えも

 ポリスチレン(PS)は、新型コロナウイルスの感染が拡大した影響で、需要が大幅に減少している。4月の内需は5万1000tと5万tを維持したが、5月の内需は4万3000tと2015年2月以来の低レベルとなった。大型連休による誘導品の稼働日数が低下したことに加え、緊急事態宣言の影響により加工メーカーの操業が落ち込んだことが背景にある。

 用途別に見ても、包装用、工業用、フォームスチレン、雑貨など全ての用途で2桁のマイナスを記録。「巣ごもり消費」の拡大に伴い、食品包装用途など伸びている分野はあるものの、全体をカバーするほどの勢いにはなっていないようだ。製品在庫も、大手メーカーが定修を控え積み増していたこともあり、5月は2.5カ月(4月1.9カ月)と高水準となっている。

 こうした中、コロナ感染が落ち着いてきたことで、5月末に緊急事態宣言、また6月19日には移動制限がそれぞれ解除された。ようやく内需が動き始めることが期待されるが、PSメーカーにとって重荷となるのが、大幅値下げが予定されている7月の価格改定だ。PS価格は原料であるナフサやベンゼンの市況、また為替などの前提条件を加味し四半期ごとに価格の見直しを行っている。

 2Q(4-6月期)にナフサとベンゼンが急落したことから、7月の改定では、

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