カネカはこのほど、ロート製薬と、涙道カテーテル事業に関する事業提携で合意したと発表した。カネカの技術力・製品開発力と、ロートの眼科領域での高いブランド力・販売力のシナジーによる、涙道カテーテル事業のさらなる拡大を目指す。まず販売分野からスタートし、涙道カテーテルの製造販売認証のロートへの承継などを進め、提携強化を図る。
カネカは、1994年に流涙症治療に使用する涙道カテーテルを上市した。流涙症は、涙道の閉塞により涙が鼻腔に排出されずあふれ出る疾患で、高齢化が進む日本、米国そしてアジアでも症例数の増加が見通されている。
主な治療法は、専用チューブを一定期間涙道に挿入し涙道を再建する、涙道カテーテル挿入術。同社のイソブチレン系熱可塑性エラストマー(SIBS:スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体)などを活用した柔軟性と強度を併せ持つ製品は国内トップシェア、米国でも5年以上の販売実績がある。
一方、ロートは国内トップシェアの一般用目薬をはじめ、胃腸薬、スキンケア製品などの事業を展開。今年3月には医療用眼科点眼薬を主力とする日本点眼薬研究所をグループ会社化している。
カネカは、今後も患者や医療関係者が求める製品とサービスを提供し、眼科領域での当該治療に貢献していく考えだ。