新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、過酷な環境下や非破壊での計測、超低濃度成分の検出などを可能とする革新的センシングデバイスの実現に向け、新たに6件の研究開発に着手した。
人口減少や少子高齢化などにより、インフラの維持管理や産業保安の負担増、医療・介護費の増大、地域の人手不足や移動弱者の増加などの様々な社会課題が顕在化している。その解決には、豊富なリアルデータによる現状の見える化が重要であり、サイバー空間とフィジカル空間を融合させるセンシングデバイスが必要とされる。
こうした中、「IoT社会実現のための革新的センシング技術開発」事業として、新たに「建機オイルの劣化状態モニタリング」「製造装置内流体濃度分布のリアルタイム計測」「次世代の火山活動モニタリングシステム」「安価で高性能なVR搭載システム」「ペットや人間の健康管理に関する呼気分析システム」のための高精度センシング技術の開発と、設置環境や経年劣化に対するセンシングデバイスの信頼性確保のための「ワイヤレス通信を用いた遠隔機器校正ネットワーク技術」の研究開発を行う。実施期間は2020から24年度の予定。
これにより、産業機器の保全や高効率制御、火山の遠隔監視、テレワークや遠隔医療などの促進、疾病の予兆検知などが期待される。様々な社会課題の早期解決と新産業の創出を両立するSociety5.0の実現を目指す。