DICは11日、2020年度上期(1-6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比11%減の3437億円、営業利益3%減の178億円、経常利益18%減の156億円、純利益21%減の103億円となった。
オンラインの決算会見の中で、古田修司執行役員・最高財務責任者は「4-6月期にコロナ影響を大きく受け、自動車関連や建設関連で出荷数量が大きく落ち込んだ。5月を底に回復傾向にはあるものの、減収減益となった」と総括した。
セグメント別に見ると、パッケージング&グラフィックは売上高9%減の1901億円、営業利益9%増の87億円。欧米ではパッケージ用インキが引き続き堅調な出荷となり現地通貨ベースでは前年並みとなったが、出版用インキの比率が高い日本では緊急事態宣言の影響を受け広告およびチラシの需要が減少し、出荷が大幅に落ち込んだ。
カラー&ディスプレイの売上高は11%減の545億円、営業利益は24%減の46億円。コロナ影響で、化粧品用顔料を中心に幅広い用途で顔料の出荷が低調。TFT液晶も出荷が低調だった。欧米では生産調整を目的に一部工場の稼働を停止し、固定費などのコストを吸収できなかった。
ファンクショナルプロダクツの売上高は13%減の1145億円、営業利益は3%増の81億円。5Gに関連した半導体分野で需要の増加が見られ、エポキシ樹脂の出荷が好調だったが、それ以外では景気減速の影響により広範な分野で出荷が落ち込んだ。ただ原料安やコスト削減効果で増益となった。
なお、通期業績予想の修正を発表。売上高7000億円(前回発表比1100億円減)、営業利益350億円(同100億円減)を見込んでいる。古田執行役員は「下期(7-12月期)は、売上高は上期よりも回復するが、営業利益は上期並みと見ている。自動車関連製品は流通在庫の解消を待ち緩やかな回復となる見通しだ」と語った。