積水化学工業は31日、高機能プラスチックスカンパニーが、1961年に建設した主要研究開発拠点である開発研究所(大阪府三島郡)内に、規模拡大とイノベーションのさらなる加速を狙い、水無瀬イノベーションセンター(MIC)を併設したと発表した。
同社は今年、2030年までの長期ビジョン「Vision 2030」を制定。「Innovation for the Earth」をビジョンステートメントとして掲げ、イノベーションを起こし続けることにより、サステナブルな社会の実現に向けて、LIFEの基盤を支え、〝未来につづく安心〟を創造していくことを目指している。
また、前中計より、〝融合〟を経営戦略上のキーワードとし、社内外の技術・機会・リソースの融合による新たな価値創出を図っている。特に高機能プラスチックスカンパニーの3つの戦略分野(エレクトロニクス・モビリティ・住インフラ材)では、通信業界の5G普及、自動車業界の自動運転を含むCASEの進展など、通信や自動車業界の変容に伴い、各分野を横断した人や情報の融合が、イノベーション創出のためには重要になる。
MICは、延べ床面積5967㎡の5階建て。特徴として、①オープンイノベーションスペースとして、展示・デモ実験エリア「テクノロジーガレージ」を設置、②社内での共創を促進するオフィスのレイアウト・設備、③ウェブを活用し、コロナ禍の中でも社内外コミュニケーションを促進、④「ZEB Ready(一次エネルギー消費量の年間収支を設計値で50%以上削減した先進建築物)」や「CASBEE(建築環境総合性能評価システム)Sランク」の各認証を取得、などがある。
同社は、今回のMIC開設により、社内外での融合を促進し、社会課題解決と同社グループおよび高機能プラスチックスカンパニーの成長に資するイノベーションの創出をさらに推進していく考えだ。