出光興産は29日、徳山事業所(山口県周南市)でバイオマス発電所の事業化検討を開始したと発表した。製油所跡地と既存の地域インフラを利用する。
営業運転開始は2022年度内の予定。発電出力は5万kW。年間発電規模は約10万世帯分の電力に相当する3億6000万kWh。燃料使用量は年約23万t。
発電出力が大きいことから、営業運転開始後は燃料として再生可能エネルギーである、輸入木質ペレットとパーム椰子殻を使用する。中長期的には間伐材や製材端材など、国産材へのシフトを進める予定だ。
これにより、環境保全に配慮した持続可能な森林づくりと林業再生、地域振興、循環型経済の構築と発展を目指す。CO2削減量は約23∼30万t/年を見込んでいる。
徳山事業所は1957年に出光初の製油所として操業を開始。57年後の2014年3月に、エネルギー供給構造高度化法に伴い運転を停止し、現在は化学事業の主力拠点として、競争力強化に向けた取り組みを実施している。
同社ではエネルギーを取り巻く環境変化を踏まえ、エネルギー源の多様化とベストミックスの構築により、日本のエネルギーセキュリティへの貢献と、再生可能エネルギー事業を推進していく。