NEDO 航空機の燃費改善に向け複合材6件の研究開発

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2020年10月7日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、航空機の燃費改善や日本の航空機産業の国際競争力強化を目指し、新たに6件の複合材料の研究開発事業に着手した。

 同事業では、複合材料などの関連技術開発を中心として、航空機に必要な信頼性・コストなどの課題を解決するための要素技術を開発する。これにより、航空機の燃費改善によるエネルギー消費量の削減と2040年に1500万tのCO2排出量の削減、航空機産業の国際競争力の強化を目指す。

 航空機産業では、CO2排出量の削減のため、航空機の軽量化やエンジンの燃焼効率向上による燃費の改善が期待されている。また、国際的な産業競争が激化しており、燃費改善用の部材や加工技術開発などが急がれている。

 近年、航空機の構造部材には、従来の金属部材に代わり軽量化を目的として炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が積極的に導入されてきたが、今後航空機需要の70%を占めると予想される細胴機では金属材料が主流であり、細胴機へのCFRPの適用に向けて、よりコストが低く生産性の高い成形組立技術の開発が必要になる。

 また、航空機エンジンの燃焼効率向上に向けて、金属材料(ニッケル合金)より3分の1程度軽量で耐熱性に優れたセラミックス基複合材料(CMC)の活用が注目され、中でも、耐熱温度の高い炭化ケイ素(SiC)を使ったCMCの1400℃級航空機エンジン部材への早期実用化が期待されている。

 こうした背景から、NEDOは、航空機の燃費改善、環境適合性向上、整備性向上、安全性向上のため、航空機への適用を想定したCFRPやCMCといった複合材料について、新たに6件の研究開発事業に着手。同事業では、複合材料などの関連技術開発を中心として、航空機に必要な信頼性やコストなどの課題を解決するための要素技術を開発する。

 同事業では、プロジェクトリーダーに東北大学大学院航空宇宙工学専攻の岡部朋永教授を指名し、実施予定先と連携し、成果の最大化を図る。

航空機向け新たな複合材料開発
航空機向け新たな複合材料開発