帝人ファーマは31日、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の最新型ワイヤレス精密検査機器「Nox A1システム」(一般的名称:睡眠評価装置)について、国内での独占提供を本格的に開始すると発表した。
同装置はアイスランドの医療機器メーカーのノックス・メディカル社が製造するもの。SASの検査には、簡易検査と精密検査があるが、同装置はSASの疑いがある人の精密検査(確定診断)に用いられる。
Nox A1システムは本体重量が92gと帝人ファーマの従来製品に比べて小型・軽量で、使いやすさを重視した設計のため、被検者の装着時の負担を軽減する。これにより睡眠を妨げることなく、日常に近い環境で検査を受けることが可能となった。
また、専用アプリをインストールしたタブレット端末を使用し、ワイヤレスで簡便に睡眠や呼吸状態をモニタリングできるため、医療者の負担軽減にもつながることが期待されている。
従来、SASの精密検査では、複数の機器がケーブルで接続されることなどにより、被検者にとってストレスになることがあった。また、検査の準備に手間を要したり、周辺機器が大型のため検査できる場所が限られたりするなど、医療機関が睡眠時無呼吸検査を導入する際に障壁となるケースがあった。
なお、販売価格は、標準仕様が330万円(税別)、オンライン仕様が390万円(税別)。タブレットは別途手配が必要。帝人ファーマは同装置の販売により、SASの検査から治療に至るまでの製品やサービスをさらに拡充していく。今後も新たな製品やサービスの開発を通じ、SASの診療の質の向上、患者のQOL向上に貢献し続けていく考えだ。