日本触媒はこのほど、10月29日開催の取締役会で、インドネシア子会社「NIPPON SHOKUBAI INDONESIA(NSI)」でアクリル酸(AA)製造設備(年産10万t)の増強を決議したと発表した。
2021年3月末に完工し、同年11月に商業運転を開始する計画。完成すると、既存能力14万t/年と合わせ、計24万/年の生産能力となる。設備投資額は約2億米ドル。
同社のコア事業の1つであるAAは、高吸水性樹脂(SAP)や、アクリル酸エステル(AES)などの原料として、堅調に需要が伸びていく見込み。特に近年、アジア圏でAAの需給バランスは非常にタイトで、この需要に対応して供給責任を果たすため、同社で生産能力の増強について検討してきた。
その結果、アジア圏に立地していることや、既存設備との相乗効果が見込めることなどを総合的に勘案し、NSIで増設することが最適であると判断した。増設後の同社グループ年間生産能力は98万t/年(国内54万t/年、海外44万t/年)に拡大され、安定供給体制のより一層の強化を進める。