東洋紡は26日、PET樹脂製造世界最大手であるインドラマ・ベンチャーズ傘下のインドラマ・ポリエステル・インダストリーズ(タイ・バンコク、IPI)と、自動車エアバッグ用原糸を生産する合弁会社(東洋紡50%、IPI50%)の設立で合意し、同国ラヨーン県にあるIPIの工場敷地内にエアバッグ原糸生産工場を新設すると発表した。生産能力は年間1万1000t(最大吐出量)、2022年春の稼働開始を予定する。
エアバッグ市場は、自動車1台当たりの搭載点数の増加や新興国での装着率の伸長など、年率3~4%での需要拡大が見込まれている。東洋紡は2014年に、インドラマ・ベンチャーズと共同で、エアバッグ原糸メーカーで世界2位(当時)のシェアをもつドイツのPHPを買収。その後、インドラマグループとの関係を強化しながら、エアバッグ事業の拡大に注力してきた。
モビリティ事業を最重要分野の1つに位置づける東洋紡とインドラマグループは、タイでの両社のリソースを効果的に活用できることなどから、このたび、共同でエアバッグ用ナイロン原糸の生産合弁会社を設立することで合意に至った。
東洋紡は今後も、日本・タイ・中国・米国・欧州の世界5拠点で、原糸から基布まで一貫して生産・供給できる唯一のメーカーとして、顧客ニーズにグローバルに対応していく考えだ。