帝人フロンティア 高吸水・速乾素材を開発、珪藻土の構造に着想

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2020年10月27日

 帝人フロンティアはこのほど、バスマットなどに利用される珪藻土の微細な構造から着想を得た、新発想の高吸水・速乾素材「ラッカン」を開発した。2021年春夏シーズンからファッション衣料を中心に展開し、今年度に5万m、2022年度に50万mの販売を目指す。

高吸水・速乾素材『ラッカン』。ランダムな繊維構造からなる微細な凹凸層構造が特長
高吸水・速乾素材「ラッカン」。ランダムな繊維構造からなる微細な凹凸層構造が特長

 近年、共働き世帯や単身世帯の増加などに伴い、洗濯をはじめとする家事にかける時間を短縮したいとの要望が強くなっており、洗濯後に素早く乾くなど、取り扱いが容易なウェアへのニーズが高まっている。一方で、近年のトレンドでもある、ナチュラルな外観や風合いをもつウェアに対するニーズも高い。 こうした中、同社は独自の技術により、高い吸水性と拡散性をもつ珪藻土の凹凸構造と表面上の微多孔を特殊構造体として再現することで、高吸水・速乾素材「ラッカン」を開発した。

 『ラッカン』使用例
「ラッカン」使用例

 具体的には、加工によって膨らみを増す複合糸を経糸に、加工によって伸縮する糸を緯糸に使って設計した特殊な織物構造により、生地表面に微細な凹凸層構造を発現させた。併せて、異収縮複合糸が凸部を形成するような織り構造とすることで、糸間に空隙をつくり、珪藻土表面の微多孔構造を再現した。

 また、複合糸に繊度差や収縮差をもたせることでランダムな繊維構造とし、生地表面のナチュラルな天然繊維調と柔らかな風合いを再現した。この構造により、通常のポリエステル素材に比べ乾燥時間を約40%短縮。50回の洗濯を繰り返しても、吸汗・速乾性を維持することが可能になった。