合成ゴム 9月の出荷量は前年比2%減まで回復

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2020年12月23日

需要は持ち直し、前月比では四ヵ月連続でプラス

 合成ゴム工業会がこのほど発表した生産・出荷・在庫実績によると、9月の合成ゴムの出荷量は前年同月比1.7%減の11万5000tだった。12カ月連続で前年割れとなったが、ほぼ前年並みまで回復。前月比で見ても4カ月連続でプラス、6カ月ぶりに11万t台となっている。

 9月を品目別で見てみると、SBRは前年同月比8.5%減の4万1900t、NBRは同14.1%増の8900t、CRは同8.1%減の1万600t、BRは同3.2%減の2万4500t、EPTは同21.8%増の1万6200t、その他は同2.8%減の1万2800tとなった。NBRは3カ月連続プラス、EPTは7カ月ぶりにプラスとなり、それ以外の品目もマイナス幅が一桁台に縮小している。また前月比ではすべての品目でプラスとなっており、合成ゴムの需要が本格的に回復してきたことが伺える。

 合成ゴムの需要業界のうち、日本自動車タイヤ協会のまとめでは、9月の自動車タイヤ生産は同11.0%減の1万1500本、タイヤ生産に使われる合成ゴムの新ゴム消費量は同17.6%減の7万7100tといずれもマイナス幅が縮小。また、日本自動車工業会の9月の車種別生産統計(4輪)は同0.1%減の82万700台とほぼ前年並みの水準にまで回復した。さらに、日本建設機械工業会がまとめた9月の出荷金額は同23.3%減、日本工作機械工業会による9月の受注総額は同15.0%減と改善傾向を示している。こうした背景から、合成ゴム全体の出荷が上向きになったと見られる。

 9月の生産については、合成ゴム全体で同26.2%減の9万4700tと11ヵ月連続でマイナス。SBR(全品種)をはじめ全ての品目で前年実績を下回っている。ただ稼働率は54.4%と前月より4.8ポイント改善し、在庫も前月から減少した。

 一方、合成ゴム全体の輸出は前年同月比2.3%増の6万6100t、輸入は同26.7%減の9100tだった。