三菱ケミカルは12日、中国での赤色蛍光体特許侵害訴訟で、被告である煙台希爾徳新材料(Shield社)による同社特許の侵害を認める一審判決が、10月30日に出されたと発表した。
三菱ケミカルは、2015年1月23日付でShield社に対して、物質・材料研究機構(NIMS)と同社が共有する赤色蛍光体に関する特許を侵害しているとして、中国での蛍光体製品の生産や販売などの侵害行為の差し止めと、損害賠償を求める訴訟を深圳(セン)市中級人民法院に提起していた。
これに対し、同法院は同社の主張を認め、Shield社による当該侵害行為の差し止めと同社への合計600万元(約1億円)損害賠償金の支払いを命じる判決を下した。
中国はLEDパッケージの最大の生産国であり、赤色蛍光体の主用途である白色LEDパッケージでも最大生産量を誇る。その中国で同社の主張を認めて差し止めと損害賠償を命じた今回の勝訴判決は、長年積極的に投資、事業展開を行ってきた同社にとって非常に意義深いものとなる。
また、今回の勝訴判決は蛍光体産業のみならず、白色LED産業全体でも重要な意味をもち、今後の両産業の健全な発展と秩序維持につながる。同社は今後も、他社が同社特許を侵害する製品を実施するようなことがあれば、適正な対応を取る考えだ。