中国汎用樹脂輸入 1-2月は5品目がプラスに

2021年4月2日

 PVCのみマイナス、米国ポリエチレンも大幅増

 貿易統計によると中国の1-2月の汎用樹脂輸入は、塩ビ樹脂(PVC)を除く5品目が前年同期比でプラスとなった。なお今回、2月に春節休暇があっため、1-2月の累計で貿易統計が発表されている。

 1-2月の汎用樹脂輸入を品目別で見ると、ポリエチレン(PE)は前年同期比8.4%増の128万1500tとなった。昨年12月は同5.0%減と弱含んでいたが、再びプラスに転じている。内訳では、低密度(LD)は同23.6%増の27万2300t、直鎖状低密度(L-L)が同16.7%増の46万500tと2桁プラスとなったが、高密度(HD)は同3.4%減の54万8600tとなった。その中で米国PEは、同2.8倍の9万9500tと大幅に増加した。内訳では、LDは同1.8倍の2万3400t、L-Lは同4.6倍の4万8100t、HDは同2.3倍の2万8000tといずれも大きく伸長している。ただ月別で見ると、米国品は、昨年8月の20万t弱をピークに減少傾向となり、12月は約8万tの輸入だった。1―2月は春節休暇といった特殊要因があるため傾向をつかみづらいが、通常常態に戻る3月の動向が注目される。

 一方、PE以外の汎用樹脂については、ポリプロピレン(PP)は前年同月比1.6%増の26万6500t、ポリスチレン(PS)は同22.5%増の9万6300t、ABSは同10.5%増の13万6000t、EPSは同20.1%増の1700tと大きくプラスになったのに対し、PVCは同19.1%減の4万1900tとなった。米国品が同62.1%減の7700t(シェア18.4%)と大きく落ち込んだことが響いている。ほかの国を見ると、台湾は同10.9%増の1万8300t(シェア43.7%)と半数近くを占め、日本は同24.6%増の7900t(シェア18.8%)と数量を伸ばしている。

 また、ABSの国別では、台湾が同20.1%増の5万4800t(シェア40.3%)、韓国が同1.8%増の4万1900t(シェア30.8%)と2強状態を継続。日本は同20.3%増の4800t(シェア3.5%)だった。

 こうした中、2月の中国PMI(製造業購買担当者指数)は50.6となり、12カ月連続で好不調の節目となる50を上回った。1月から0.7ポイント低下し、昨年5月以来の低水準となったが、春節休暇の影響があったことが推察される。経済活動が活発な中国は今後も内需が堅調さを維持すると見られるが、米国の寒波影響をはじめとする供給トラブルが各地で発生しており、3月以降の中国汎用樹脂輸入への影響が注目される。